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[ 準主要元素 ]
マグネシウム [特徴]
「ミネラルのバランスを保つミネラル」といわれ、リン、カリウム、ナトリウムの代謝に欠かせないものです。また、脳や心臓では、マンガン、リン、鉄、銅などと共同して働いています。

マグネシウムの1日の目標摂取量は300mgですが、この数値は「カルシウムの1日の所要量600mg」から決められました。
カルシウムとマグネシウムは互いに拮抗する存在で、カルシウムが血管や心臓に対して「収縮作用(興奮)」があるのに対して、マグネシウムは「拡張作用(興奮の抑制)」を持っています。心臓にとっては、興奮を抑制するマグネシウムが勝っている方が良いのです。
筋肉の収縮は、筋肉細胞の中にカルシウムが入る事によって緊張が高まって起こります。マグネシウムはカルシウムの動きを調節していますので、マグネシウム不足によって細胞の中にカルシウムが入り込みすぎると、痙攣や震えなどの症状が出ます。

マグネシウム不足は、カルシウムの優勢となり、興奮が強まって、高血圧や虚血性心疾患に拍車をかけてしまいます。また、マグネシウムの摂取不足からではなくても、「カルシウム・パラドックス」(※カルシウムページを参照して下さい)によって、カルシウムが過剰になってしまう場合もあります。

[効能・効果]
精神の安定。
歯のエナメル質へのカルシウムの沈着に働きます。
心臓の筋肉の動きを良くします。
血液中の血小板が固まるのを防ぎます。
腎臓などの軟組織にカルシウムが沈着するのを防ぎます。
体温、血圧の維持。
筋肉の動きを良くします。
骨の正常な代謝を維持します。

[欠乏症]
上まぶたがピクピクする。
歯の形成不全を起こします。
イライラしやすく、鬱状態や集中力の低下を招きます。
首や背中の筋肉痛。
腎臓結石や、尿路結石をおこしやすくなる。
不整脈や心臓発作を起こしやすくなります。
動脈にコレステロールが沈着したり、血栓が出来易くなります。
動脈硬化や虚血性心疾患のリスクガ高くなります。
骨が弱くなり、骨粗鬆症をおこします。

[過剰症]
過剰に摂取しても、腎臓から排出されます。
腎臓に障害を持つ方は過剰摂取に注意して下さい。

[1食あたりに含まれる量]
食品1食分単位(mg)
アーモンド30g87
大豆30g66
納豆50g50
ほうれんそう70g49
木綿豆腐150g48
青海苔3g39
バナナ100g34
小麦胚芽5g14.5

※1日の目標摂取量
成人:300mg
妊婦:400mg
授乳婦:400mg

[POINT]
骨粗鬆症の予防の為、カルシウムを多く摂取する様に良く言われていますが、カルシウムが過剰になってしまうと、マグネシウムの吸収を阻害します。また、肉や加工食品、清涼飲料水に含まれる「リン」も多くとりすぎることによってマグネシウムの吸収を妨げます。

大量のアルコールや利尿剤はマグネシウム不足を引き起こします。

糖尿病の人も、マグネシウムが欠乏し易いので注意して下さい。

ストレスによってマグネシウムの必要量は増加してしまいます。

マグネシウム不足の人に多く見られる「尿路結石」は、大部分がシュウ酸カルシウムから出来ています。結石は、マグネシウムが存在すると出来難い事がわかっています。マグネシウムの摂取量が少ないと尿から排泄されるマグネシウムの量も少なくなり、その結果「尿路結石」が出来易くなります。