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ビタミンC |
[特徴] ビタミンBは、とても奥の深い多彩な生理作用を持つビタミンです。もともとは、※1.壊血病の予防から発見されたビタミンで、アスコルビン酸ともいいます。 ※1.歯肉がブヨブヨになったり、歯の緩み、皮下出血とむくみを伴う毛細管障害、疲労、倦怠、筋肉の痛み、関節痛、食欲不振、貧血などの症状が出る病気です。重篤なケースでは死に至る場合があり、壊血病により一個船団が壊滅したと言う記録もあります。 ビタミンC欠乏症によって起こる壊血病は、出血を伴う病気です。その理由は、ビタミンCが、コラーゲンの生成に不可欠だからです。コラーゲンとは、身体を造る全蛋白質の30〜40%を占める蛋白質で、アロリン、リジンといったアミノ酸を水酸化した、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジンが主成分の細胞の結合組織です。コラーゲンが血管や皮膚、粘膜のなど細胞をしっかり固める事によって、細菌やウイルスの攻撃から身体を守ります。 また、ビタミンCは、体内のウイルスを迎え撃つ白血球の働きを強化したり、自らウイルスに対して攻撃するなど、攻めと守りの両面で身体を守っています。免疫力が高まる事は、風邪などをひきにくく、また、回復も早くなる事に繋がります。 この他、胃がんや肝臓がんを引き起こす発ガン物質のニトロソアミンの生成を抑制します。抗がん剤として知られている「インターフェロン」は、もともと人の体内で造られるものですが、この生成を促進しているのもビタミンCなのです。 腸から吸収されたビタミンCは、各組織に運ばれますが、副腎ホルモンの合成に不可欠な為、主に※2.副腎に多く採り込まれます。副腎はストレスに反応する臓器で、ストレスが加わると抗ストレスホルモン(アドレナリン:副腎髄質ホルモン)が分泌される事で血圧を上げ、血中の糖分を増やし、エネルギー供給体制を整えてストレスに対抗します。 ※2.副腎は、腎臓の上にある器官で、皮の部分(皮質)と芯(髄質)から出来ており、どちらから分泌されるホルモンの合成も、ビタミンCを必要としています。 ビタミンCを採ると、肌が白くなると言いますが、これは、メラニン色素を作る酵素であるチロシナーゼを不活化する為です。 タバコを1本吸うと、体内のビタミンCが25mg破壊されると言いますが、これは間違いです。しかし、喫煙者の血中ビタミンC濃度が低い事は明らかですので、ビタミンC不足に注意して下さい。 [効能・効果] 活性酸素の害を防いで老人性白内障を予防する。 貧血の予防。 ストレスや疲労を和らげる。 風邪の予防と、回復を早める。 肌にはりを持たせる。 粘膜や骨を強くする。 アレルギー反応を抑える。 血中コレステロール値を正常にする。 壊血病の予防、発ガンを抑制。 [欠乏症] 風邪をひきやすくなる。 免疫力、解毒力が弱まる。 肌にはりが無くなったり、しみ・そばかすができる。 歯茎から出血しやすくなる。 疲労感、脱力感。 胃がん、肝臓がんなど、発がんのリスクが高くなる。 骨、筋肉、胃腸が弱くなる。 貧血や、切傷が治りにくくなる。 欠乏がひどくなると壊血病になる。 [過剰症] 腎臓に障害を持つ人の場合、ビタミンCを大量に摂取し続けると、尿中の※1.シュウ酸がカルシウムと結合して腎臓結石や尿路結石のリスクを高める恐れがあります。 健康な人が1日1〜2gのビタミンCを3〜6ヶ月摂取し続けても尿中のシュウ酸排泄量は増えませんので、1日1〜2gまでの摂取は安全と言えるでしょう。 ※1.尿中に排出されるビタミンCは、シュウ酸の形で出てきます。 [多く含む食品] 果物や野菜に多く含まれています。 肉などの動物性食品や、穀物ではほとんど摂取できません。 [1日の推奨摂取量(1種類の食品で見た場合)] 成人で1日50mg
[POINT] 便秘に悩んでいる方にも実はビタミンCは効果があります。ビタミンCには、下剤としての作用がある為で、ビタミン剤により大量にビタミンCを取った場合に下痢をする事があります。しかし、薬ではないので適量を自分で決めると良いでしょう。 体内のビタミンC貯蔵量は、成人で1.5g(1500mg)です。このうち3%(45mg)が、シュウ酸などの代謝物となって、排出されています。1日50mgという摂取量は、このデータを基に決められている訳です。アメリカでは、1日60mg、喫煙者には100mgの摂取を勧めている様です。 |